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「ボキャビル」について
英字新聞やペーパーバックを読む際に,意味の分からない単語が多いと読む気が失せます。
多少なら読み飛ばせば良いのですが,それが多過ぎるともはや読んでいるとは言えません。
試験問題も同じで,意味の分からない単語が多過ぎると問題が解けません。
そこでボキャビルと言うことになるのですが,ボキャビルと聞いて真っ先に思いつくのは単語集です。
これを頭からゴリゴリと覚えて行くという昔ながらの方法。
私はこの方法が良いと信じて疑いませんでした。
それは受験生時代に「出る単」をほぼ完全に(気合いで)頭に叩き込んだ事。
再学習を始めた6年ほど前に「Duo」を「完全マップ」に従ってやはりほぼ完全に叩き込んだ事。
これがある一定の効果を私にもたらしてくれたからです。
これそのものは私の英語力の基礎を形成してくれているものであり,その効果を実感しています。
Duoは音声CDが付属していることもあり,時に頭の中をフレーズが流れてくれるのは非常に有り難いところです。
しかし,今後トレーニングを続けて行くにあたり「本当にこの方法がベストなのか」という疑問が私の中で湧いて来ました。
なぜそのような疑問が湧いたのか。
現在,JapanTimes社説集を読解用の教材として使っています。
意味の取れない単語が多く苦労しており,以前の私でしたら放り投げていた所です。
しかし,それでも辞書をひきひき根性で読み進めて来ました。
すると,ある意味では当然なのかも知れませんが,同じ単語に出くわす頻度が増えて来ます。
その時に意味がすぐに分かることもあれば,見覚えはあるけれども意味を思い出せない,と言うこともあります。
また,単語は同じだけど使われている意味が違う,と言うこともあります。
これとは全く別に,次回の英検に向けて「ボキャビル」が必要かな,などと言う軽い気持ちで積ん読となっていたPass単をさりげなくパラパラとめくってみました。
すると,社説集その他で目にした単語がチラホラと出てくるのです。
これは新鮮な驚きでした。
と同時に,「ボキャビル」とは一体何なのかと言うことを改めて考えなくては行けないと思いました。
試験対策的にはそれ専用の単語集を叩き込む事がやはり最良,最短の道であると思います。
プロの方が厳選し,適切な順序,カテゴリで整理して下さっているのですからそれを活用しない手はありません。
しかし,単語集で覚えた単語と言うのは意味が固定しており,記憶にも定着しづらいと思います。
順序が決まっていると言うこともあり,流れの中から意味を推測する事も出来てしまいます。
では,単語カードを作りシャッフルすれば良いのでは?
それも一案ですが,カードという媒体である以上は意味がある程度固定されてしまいます。
マメな方は素晴らしいカードを作られるのかも知れませんが,私のようなズボラな人間には難しいです。
実際,何度か挑戦したこともありましたが,同じ数だけ挫折しました。
ですが,本当に記憶に残りづらいものだけカード化するのはアリだと思います。
ではどうしたら良いのか?
「未知既知を問わずに単語に出会う回数を増やす事」がその一つの方法ではないかと考えています。
(まだ確信は持てませんが)
未知のものはもちろん,既知のものであっても知らなかった意味で使われる事もあります。
それはやはり単語集では得にくいものだと思います。
(下の方に小さく出ているのかも知れませんが)
まずはとにかくボキャビルという枠を離れ,いかに多くの単語を目にするかという作業をやってみようと考えています。
こう考えると,最初の3ページぐらいで止まっていた私のPass単が,短文を集めた素敵なペーパーバックに早変わり。
まずはこのペーパーバックを何周かしてみようと思います。
ボキャビルと思うから挫折するのであって,読み飛ばしOKの読書であれば読んだ所にしおりを挟み,次回はそのしおりから先を読めば良いのです。
自分で書いていて気持ちが軽くなって来ました!
実は既にこの方法を始めているのですが,挫折した箇所を既に通り越して,その先にまで目を通す事が出来ています。
定着その他はさておき,これはこれで画期的な事だと感じています。
良く言われる「日本語の単語を覚える時に単語集を使ってはいない。小さい頃から多くのものを見て,聞いて自然と覚えて来たはずだ。英語も同じようにすれば良い。」と言う意見は理想的ではありますが,非常に危険です。
まず,母国語ではない言語に挑戦しようとしていると言う事,そして,そんなに多くの時間はないと言う事です。
母国語を覚えて来たプロセスを第2外国語に当てはめるのはそもそも間違っています。
また,周囲のもの全てが吸収するもの一辺倒だった時とは違い,今は学習用に時間を割かねばならないのです。
なので,ある程度の負荷を掛ける必要がどうしても出て来ます。
しかし,その負荷の掛け方に工夫は出来るはずです。
私は「ボキャビル=単語集の詰め込み」と信じて疑いませんでしたが,ここの工夫の余地があると感じつつあります。
長くなりましたが,まとめると以下のようなところが今思う所です。
「ボキャビル」と言う言葉に縛られない方が,かえって得る事が多いのかなと思う次第です。
(
・まずは受け皿を広げる。そのためには多くの英文を目にし,未知既知の単語に出会う回数を増やす。
・決してそのままにはしない。可能であれば英英辞書で意味を確認する。
・試験対策用としては,ゴリゴリ型のボキャビルも必要。
・手強い語彙については,単語カードも有用。